あらすじ【第1幕】第1場ドイツのどこかの大きな森の入り口に、貧しい掃木作りが、おかみさんと2人の子供とつつましく 暮らしていました。兄はヘンゼル、妹はグレーテルという名前で、2人ともとても素直なよい子でした。ある年、その地方にひどい飢饉があって、一家はその日 のパンすら手に入らなくなってしまったのです。森に初夏が訪れようとする、そんなある日の午後のこと、お父さんは朝早くに森の向うの町へ掃木を売りに、お 母さんは食べ物の工面に近所まで出かけた留守。 いつものように兄妹は家のお手伝いの仕事に精だしていましたが、お腹が空いて我慢できなくなったグレーテルが泣き出したので、妹思いのヘンゼルは、「安心 して待っておいで、神様は僕たちをお見捨てになりやしないさ」と妹をなぐさめ、ひもじさをまぎらわせようと相手になっているうちに、うっかりテーブルにぶ つかって、お隣りからもらった、とっておきの牛乳を入れた壺を落として割ってしまいます。ちょうどその時、食べ物の工面がつかず、暗い気持ちで外からも どってきたお母さんがそれを見て、ますます不機嫌になり、仕事を怠けて遊んでいた子供を叱りつけ、「今晩食べるものは何もないよ、森へ行って苺をとってお いで」と、ヘンゼルとグレーテルを森へ追いやります。 そして、お母さんは「神さま、貧乏をお救いください」と祈りながら、ついうとうとと眠ってしまう。やがて、日が沈み一杯きげんの父親が帰ってきます。森の 向うの町はお祭りで、掃木がみんな高く売れ、ふるまい酒に酔った父親は、家族を喜ばせようと豪勢な食べ物を沢山買ってきました。それを見て機嫌をなおした 母親は、「どこだ、子供たちは」と問われるままに、「森へ苺をとりにやった」と答えると、父親は酔いも覚めるほど叱驚して、真青になって、森の奥には子供 をつかまえて食う魔女が棲んでいるという町の噂を話し、「さあ、大変」と両親はおっとり刀で子供を探しに森の奥へと急ぎます。 第2場一方、森の奥は夢のように奇麗な別世界。かご一杯に苺をとったヘンゼルとグレーテルは、その別 世界の森の雰囲気に包まれて、「王女さまと王子さま」ごっこに時を忘れて遊んでいるうちに、日はとっぷりと暮れ、暗い森で道に迷い、おうちに帰れなくな る。そして、闇の中で樹がまるで生きた化物のようにおそいかかってくるように思えて、おびえてすくむ。 第3場眠りの国は虹色の雲につつまれ、14人の天使が星と共に天国から降りてきて、子どもたちの眠り守ります。 【第2幕】第1場朝つゆがキラキラ輝いて、森に朝が訪れると、小鳥は空にさえずり、ウサギは野を駆けめぐり、森の生きものたちの今日が始まる。ヘンゼルとグレーテルも、小鳥や、動物たちと一緒にさわやかな朝をむかえました。 第2場朝もやが晴れると、森の奥のイルゼの岩の上にきらめく家 が忽然とあらわれます。二人は「美しいお城があるよ、どんな王女さまがお住まいかしら」と近づいてみると、その家はお菓子でつくられていました。お腹が空 いていた二人は夢中になってお菓子を食べていると、「カリカリ家をかじるのはだれだ」と声が聞こえる。二人はびっくりするが、また静かになったので、「風 だよ、風だよ、空の子だよ」と、また楽しそうにお菓子を食べていると、魔女が忍びよって、ヘンゼルの首になわを投げかける。兄妹は必死になって逃げようと するが、本性をあらわした魔女は、「待て、ホクスボクスとまれ」と呪文を唱え、二人を金縛りにして、ヘンゼルを檻の中に閉じこめうまいものを沢山食べさ せ、太らせてからパンに焼き上げようと企て、グレーテルに手伝わせて、その仕度をさせ家の中へ追いやる。 おいしそうな可愛い子供が二人も手に入ったので魔女は 有頂天になって、掃木にまたがってとびはねる。魔女はグレーテルと手下どもを呼び集めて、パン焼きかまどに火を入れ、ごちそうたっぷりの宴会の準備にとり かかるグレーテルに薪をくべらせ、赤く燃え上がる炎に魔女も手下どもも「ヘア・ホップ・ホップ」と歓声をあげて大満足。ヘンゼルがどれくらい太ったか調べ ようと指を出させるが、食べられては大変と、ヘンゼルは知恵を働かせて、細い木の小枝を差し出して、目の悪い魔女をだまして、ご馳走にありつく。 |
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